2002年4月8日
渡部敦子さま前略
ご案内しましたように、オミクロンの影響が残る今春は、個々人が適宜桜を愛でて恩師を偲ぶこととしました。冨永さんと私は連絡を取り合って、4月2日に一緒に行くことにして、「3回のワクチン接種を終えた小グループなら問題ないだろう」と判断して、同期の二木さんと山本さんを誘って4人で出掛けました。
桜の状態が余り芳しくないことを、淡水会事務局から事前情報を頂いていましたが、当日私たちは桜の花を見ることは出来ませんでした。そんな私たちが口にした最初の言葉が「桜が生きていてくれて良かった」です。開花がなくても新芽を見ることが出来ました・・・桜は厳しい環境を何とか生き抜いてくれていたのです。
「恩師の思い出話に花が咲く」というような恰好の良いことは申しません。きっと4人の心の中には「この桜を何とかしなくては・・・」の気持ちが強かったように思います。
守衛さんも加わって「場所を移そう」「新しい桜に植え替えよう」「夏場に水や肥料を施そう」などいろいろな意見が出ました。随時検討を加え実施していくことにします。
渡部先生のことですから「君たちがやって来てくれただけでうれしいよ」と今春も紺碧の空からそっと見ていてくださった気がします。
奥さまには大変ご無沙汰をして申し訳ありません。いつものように冨永さんと一緒に施設を訪れて、桜の様子をお話したいのですが・・・、昨年同様コロナ禍ではそれも叶いません。
今春も写真を同封いたします。お元気にお過ごしなさっていることを願うばかりです。
草々
渡部ゼミ2期生 太田正明 記
4月2日、桜木を背景に渡部ゼミOB生(学部20回生)
二木、冨永、山本の各氏 撮影太田